カーボンナノチューブ(CNT)の公称強度を表現する理論モデルを構築し,公称強度は実強度およびCNTの全断面積に占める荷重を担持する断面積の比(破断面積率)の積で表すことができることを示した.当該モデルを用いて公称強度,実強度および破断面積率からなる3次元ダイアグラムを作成することで,CNTの公称強度向上のための構造制御ガイドラインの構築が達成された.また,CNT軸方向の線膨張係数とCNT径および結晶性との関係を系統的に評価し,直径が大きい(層数が多い)CNTおよび結晶性の高いCNTが大きな負の線膨張係数を有する傾向があることがわかった.
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