研究課題
若手研究(B)
本研究では生殖細胞で機能する低分子ncRNAとして新たにmiR-871とmiR-880を同定し、精子形成過程においてFzd4の発現を介してWnt/βカテニン経路を制御していることを明らかにした。また長鎖ncRNAでは始原生殖細胞の分化に関与する可能性のある2つの長鎖ncRNAを同定した。本研究成果はタンパク質をコードしないノンコーディングRNAが生殖細胞の分化・成熟においても重要な働きをしていることを示している。
発生生物学
これまで生殖細胞で発現するノンコーディングRNAは多く同定されてきたが、その機能まで明らかになっているものは少数であった。本研究では生殖細胞で発現するノンコーディングRNAを同定しその機能を明らかにした。生殖細胞の分化・成熟過程での異常は不妊症の原因となるほか、 次世代の個体の発生・発達障害の原因となるため生殖細胞の成熟過程の分子機構の解明は基礎生物学的な観点だけでなく少子化の原因の一つである不妊症への予防や治療への応用も期待できる。