考古学研究の方法論について検討すべく、代表的な理論の国内での権威による対談企画を一般公開で実施した。各々の相違・共通項を明確にしたことで、研究手法における現況と今後の方向性を明確にできたと考える。その上で、異分野の専門家も交え議論を行った。考古学という分野自体の方法論の特徴や、近接分野のなかでの位置づけを浮き彫りにすることができた。 考古学では、資料の展示は主要なアウトリーチ活動である。同時に、専門家が資料に対する見方を検討する研究の場でもある。考古資料の展示手法について、資料のあらたな見方を提示する契機とすべく、工学分野と芸術分野の専門家と資料を共有した上で議論し、展示空間のデザインを行った。そこでは考古資料の一般的な分類、時代区分に則った資料の提示はせず、資料の形態的連続性を重視した展示構成を実現した。展示は一般に公開し、ブックレットも独自に作成して配布した。
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