グリア細胞の一種であるアストロサイトはグルタミン酸などの興奮性伝達物質を放出する。本研究では、神経細胞の興奮状態を高めるグルタミン酸や乳酸といった伝達物質がアストロサイトから放出されるメカニズムを調べた。実験結果から、アストロサイトからのグルタミン酸放出は、グルタミン酸トランスポーターを介した炭酸イオン濃度の変化が影響していることが分かった。また、乳酸の合成または放出は、アストロサイト内の水素イオン濃度の変化によって影響されることが示唆された。これらの結果から、アストロサイトが放出する様々な伝達物質は、アストロサイト内のイオン濃度変化やpH変化によって精密に制御されている可能性が示唆された。
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