本研究は,Crick & Dodge (1994)の社会的情報処理モデルを理論的な背景としている。この理論の中では,過去の経験から形成されたデータベースが行動を規定するとされるが,データベースに関する研究の蓄積はまだ少ない。本研究で着目した児童生徒の攻撃行動の捉え方は,攻撃行動に関する経験の蓄積により子ども達の中に次第に形成されると想定されている。よって,本研究によってデータベースの機能に関する新たな知見が得られたと考えられる。また,本研究によって,児童生徒の攻撃行動,つまり,いじめや暴力行為などの予防に寄与しうる知見も得られたと考えられる。
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