本研究の目的は、認知症を有するがん患者家族の必要とする看護支援を明らかにすることである。 2019年度は、がんに関連した看護領域の専門看護師・認定看護師が捉える認知症を有するがん患者家族に対する看護実践上の課題を明らかにした。A県内のがんに関連した領域の専門看護師・認定看護師が所属する26施設の代表者に調査協力を依頼し、15施設より承諾を得られた。15施設54名に調査協力を依頼し、面接調査への承諾が得られたのは8施設11名であった。 対象者11名の年代は、30歳代3名、40歳代6名、50歳代2名であった。所属は、病棟3名、外来4名、その他4名であった。その他は、退院調整部門など所属施設内を横断的に活動できる部署に所属していた。がん看護専門看護師は5名、認定看護師は8名であり、2名は両方の資格を有していた。認定看護師は、緩和ケア認定看護師が4名、がん化学療法看護認定看護師が2名、がん性疼痛看護認定看護師が1名、乳がん看護認定看護師が1名であった。専門看護師の活動年数は、1年以上5年未満2名、5年以上10年未満3名であった。認定看護師の活動年数は、1年以上5年未満2名、5年以上10年未満3名、10年以上3名であった。 がんに関連した看護領域の専門看護師・認定看護師が捉える認知症がん患者や家族の看護実践上の課題として、125コード、21サブカテゴリー、6カテゴリーが生成された。主なカテゴリーは、【認知症がん患者を尊重した治療選択支援】【認知症がん患者の安全とQOLを保障したがん治療実施】【がんと認知症看護を統合した看護職への教育】などであった。 現在は、論文執筆し、投稿予定である。
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