研究課題
若手研究(B)
2つの研究を通して、認知症を有するがん患者家族に対する看護師の看護実践上の課題を明らかにした。がん治療は、治療選択肢が多く、高額な治療費がかかり、重い副作用が出現する場合がある。そのため、看護師は、患者のセルフマネジメント支援を積極的に行っていた。しかし、認知症を有すると、治療の影響を十分に理解した治療選択が行われず、患者のセルフケアが十分に期待できない。その場合に、看護師は困難やジレンマを抱えていた。
がん看護学
「超高齢化社会」の到来とともに、認知症を有するがん患者は、今後ますます増加することが予測される。本研究は、今までの知見を集約し、専門看護師・認定看護師の俯瞰的な立場を通して患者や家族、医療者の現状を捉えることができた。そのため、認知症を有するがん患者や家族が置かれた現状の包括的な理解や、個人も含めた組織的な看護実践能力向上に結びつけることが可能である。本研究成果は、がん看護に従事する看護師への教育的支援の基礎資料となり、認知症を有するがん患者家族に対する支援の質向上に寄与することができる。