研究課題
日本で真珠養殖に利用されるアコヤガイの貝殻は稜柱層と真珠層という二層の炭酸カルシウムと有機物から成る貝殻と蝶番部に靭帯と呼ばれる石灰化された構造を有している。靭帯は炭酸カルシウムと有機物がおおよそ同じ割合で入っており、炭酸カルシウムは直径が50-100 nm程度の非常に細長いナノファイバーの構造である。このナノファイバーを作るためには、炭酸カルシウムの結晶成長を制御する因子や枠組みを作る因子などが必要であると考えられている。これまで申請者の研究により、炭酸カルシウム結晶のナノファイバーには酸性のペプチドが含まれることが明らかとなった。また、枠組み成分を作るためにtissue inhibitor of metalloptoteinase (TIMP)とmatrix proteinase (MMP)の両者が必要であることを明らかにした。しかしながら、このTIMPとMMPがどのような成分に働くのか、そのターゲットは明らかになっておらず、また有機物と炭酸カルシウムナノファイバーの複合構造が蝶番に対しどのような役割を有するのか分かっていなかった。本研究の最終年度において、枠組みを構成する成分の構造と機能を明らかにし、炭酸カルシウムナノファイバーが非常に強度に対して強い構造であることを、X-ray diffractionおよびnanoindentationを用いて明らかにした。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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