本研究の目的は終末期がん患者の心理療法に対するニーズを明らかにすることである。予備調査の結果から終末期がん患者に対して心理職が実施している支援の内容としては,身体・病気・治療に対する困難感の整理が主な話題となることが分かった。また支援の方法としては特定の技法が用いられるというより、支持的に話を聞く、気晴らし方法を一緒に考えるなどの柔軟な対応が中心であった。本調査では、がん患者に対する質問紙調査を実施したところ、心理療法を希望する患者が半数近くであるにもかかわらず、心理療法がどのようなものか分からない,医師に相談できているなどの障壁があることが示された。
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