本研究では、児童生徒の長所・資源に着目した生徒指導を対象とした文献調査とインタビュー調査をもとに、児童生徒の社会的背景を観点に含みこむ上記の生徒指導のモデルの構築を目指した。文献調査と小学校教員へのインタビュー調査の結果からは、小学校教員が実施している「ほめる・認める生徒指導」が、児童が置かれた社会的背景に着目し、困難に直面しやすい児童たちを学校・社会への適応や学級・学校への包摂へと導こうとする実践であることがわかった。児童生徒が有する長所・資源に着目した生徒指導モデルを構想するうえでは、ほめる・認める生徒指導をベースとし、その課題を埋め合わせていく形で検討していくのが妥当だと考えられる。
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