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2018 年度 実績報告書

膜内化学反応と膜ダイナミクスが協同した人工細胞システムの創製と機能創出

研究課題

研究課題/領域番号 16K21034
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

森田 雅宗  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90708504)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードリポソーム / 油中水滴 / 人工細胞膜 / DNAナノテク
研究実績の概要

本年度は,マイクロスケールの油中水滴内で形成されるDNAマイクロ構造体の形成プロセスについて,顕微鏡を用いた直接観察を行い確認した。DNAのアニーリング時間が短い際は,DNAが油中水滴の膜界面に一様に集積した状態から,ゲル化するために,一様なカプセル状構造を形成した。その一方で,DNAのアニーリング時間が長い際は,DNAが油中水滴の膜界面に一様に集積した状態(ここまではアニーリング時間が短い時と同じ)から,膜界面上に小さな粒子を形成して凝集することでヘテロな構造を形成する経路と,小さな穴を開けてそれが大きくなることでヘテロな構造を形成する経路の2種類が存在することがわかった。これらの過程について,DNAの濃度,アニーリング時間を様々に変えることで構造を制御できることがわかった。これについて現在論文執筆中である。
また,リポソーム(人工細胞膜)を用いたシステムでは,昨年度,2つのリポソーム形成法(界面透過法と水和法)で異なるダイナミクスが観察されたことを報告したが,どのように膜物性が異なるのかについて評価した。リポソームに界面活性剤を添加すると,界面活性剤は膜内に浸透し,脂質分子を取り込みながらミセル形成をし,最終的にリポソームは溶解する。溶解プロセスの途中でリポソームは,マイクロスケールのポアを形成する。このポアのサイズが,界面透過法と水和法で作るリポソームで異なることがわかった。これは,界面透過法と水和法で作るリポソームが違う原理で作成されるために,出来上がった時点のリポソームの膜張力が異なることに起因していることがわかった。こちらについても現在論文執筆中である。
また,界面透過法を使ったリポソームを応用し,細胞を内部に封入し,現在研究を進行している。一部成果は,論文発表を行なった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Bacterial Cell Culture at the Single-Cell Level Inside Giant Vesicles2019

    • 著者名/発表者名
      Masamune Morita, Yuri Ota, Kaoru Katoh, Naohiro Noda
    • 雑誌名

      Journal of Visualized Experiments

      巻: e59555 ページ: 1-7

    • DOI

      doi:10.3791/59555

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct Observation of Bacterial Growth in Giant Unilamellar Vesicles: A Novel Tool for Bacterial Cultures2018

    • 著者名/発表者名
      Masamune Morita, Kaoru Katoh, Naohiro Noda
    • 雑誌名

      ChemistryOpen

      巻: 7 ページ: 845-849

    • DOI

      10.1002/open.201800126

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 細胞内小器官型人工細胞を指向したジャイアントベシクル内微生物培養法の構築2019

    • 著者名/発表者名
      森田雅宗,加藤薫,野田尚宏
    • 学会等名
      第2回分子ロボティクス年次大会
  • [学会発表] Evaluation of membrane shape deformation of giant vesicles prepared by droplet transfer method2018

    • 著者名/発表者名
      Masamune Morita, Naohiro Noda
    • 学会等名
      日本生物物理学会第56回年会
  • [学会発表] 細胞サイズリポソーム(人工細胞)内での微生物培養2018

    • 著者名/発表者名
      森田雅宗,加藤薫,野田尚宏
    • 学会等名
      「細胞を創る」研究会11.0

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公開日: 2019-12-27  

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