| 研究課題/領域番号 |
16K21035
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| 研究機関 | 東京工業大学 |
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研究代表者 |
中道 久美子 東京工業大学, 男女共同参画推進センター, 助教 (80599118)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | サプライチェーン / 世帯構造 / 間接排出量 / 上流 / 下流 / 家計消費 / 排出責任 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、サプライチェーン立地（上流）と消費者分布（下流）の両面の変化を考慮して間接CO2排出量の削減策を示すため、(1)トップダウン的手法による間接排出量推計、(2)サプライチェーン構造の解明とボトムアップ的手法による間接排出量推計、(3)上流・下流の分布変化を考慮した間接排出量推計と削減策の定量的検討を行うものである。それぞれの研究実績を以下に示す。
(1)：既存の産業連関表及び家計消費実態調査の対象品目分類、公表スケール等の整理を行った上で、直接排出量が世界最大で生産も多い中国を対象に、トップダウン的手法によって間接排出量を推計した。具体的には、産業連関表を用いて品目別に間接排出原単位を求め、既存の家計消費実態調査による品目別消費量と掛け合わせることで間接排出量を推計した。その結果を基に、化石燃料による発電割合の減少、素材産業のエネルギー使用効率の向上等の間接排出量削減策について検討を重ねた。
(2)：既存文献を調査して特定品目と対象国を選定し、サプライチェーン構造の解明のためのデータ整備を行った。まず、部品数の多い自動車を特定品目として選定し、自動車販売台数が世界1位にも関わらず自動車保有台数は世界平均の半分程度で今後のさらなる需要増加が見込まれる中国を対象として選定した。そして、部品調達先であるサプライヤーの立地場所や製造部品（構成素材、重量、燃料消費量）、取引関係、輸送状況（輸送手段、距離等）を複数の既存文献・統計を組み合わせて整理した。
(3)：サプライチェーンの下流にあたる最終消費者として世帯・人口に着目し、間接排出量推計の際に考慮する世帯数、品目別消費量の分布に影響を及ぼす要因の過去の変化について、シナリオ設定の基礎情報として調査した。特定の国や都市に対象を限定せず、要因としても都市化、土地利用規制、自動車依存状況、電動小型自動車普及状況等、広く整理した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)産業連関表及び家計消費実態調査に基づくトップダウン的手法による間接排出量推計、(2)サプライチェーン構造の解明とボトムアップ的手法による間接排出量推計、(3)上流・下流の分布変化を考慮した間接排出量推計と削減策の定量的検討という細分化した3つの研究目的それぞれについて、一定の研究成果の公表が既に可能な水準に到達しており、研究全体はおおむね順調に進展しているといえる。特に、目的(1)のうち家計消費実態調査については、海外での独自調査を行わず既存統計を調査、活用して研究を進めることで、平成29年度以降の計画に含めていたトップダウン的手法による間接排出量の推計を前倒しで行うことができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、細分化した3つの目的である(1)トップダウン的手法による間接排出量推計、(2)サプライチェーン構造の解明とボトムアップ的手法による間接排出量推計、(3)上流・下流の分布変化を考慮した間接排出量推計と削減策の定量的検討のそれぞれについて整理すると、以下の通りである。
(1)：前年度に推計した現状の地域別品目別間接排出量の各要因を詳細に把握することで、サプライチェーンの上流にあたる産業振興政策や技術革新だけでなく、下流にあたる地域開発政策や都市化、家計消費構造の変化の双方の影響を考慮し、目的(3)に向けた間接排出量の削減策の検討をさらに進める。
(2)：前年度に収集・整理した情報から、部品の製造・輸送、完成品の製造・輸送・使用の各過程に分け、製造物1製品あたりの間接排出量の推計手法を開発し、現状の間接排出量を推計する。当初計画にある国をまたぐサプライチェーンもさらに深く考慮するため、中国以外の国でのサプライチェーン構造解明のためのデータ整備も進める。
(3)：(2)で推計した1製品あたり間接排出量に購入量を掛け合わせることで、間接排出量を推計する。製造・輸送の各過程に分け、前年度に(1)で行った産業連関表に基づく推計結果と比較して手法間の誤差を把握し、各手法の長所と短所を明らかにする。各手法の長所を組み合わせた間接排出量の推計方法を開発し、現状把握を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初、海外で家計消費実態に関する独自調査を行う予定であったが、既存統計やインターネット上で入手した複数の情報を組み合わせて活用することで研究を進捗させることができ、海外出張をとりやめたため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
当初計画にある国をまたぐサプライチェーンもさらに深く考慮するため、中国以外の国でのサプライチェーン構造解明に資する統計資料購入に充てる予定である。
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