研究課題/領域番号 |
16K21043
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中村 元 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20710346)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 露店商 / 移動 / 日本史 |
研究実績の概要 |
1、1930・40年代日本の露店商集団に関する情報の豊富化のための基礎調査:2016度は、1930・40年代日本の露店商集団に関する情報の豊富化のため、国立国会図書館や首都大学東京附属図書館等で歴史資料の調査を行なった。また本研究の対象とする時期の前後にあたる近世や現代における関連する社会集団についての研究文献を収集し、本研究で取り扱う露店商集団を歴史的に位置づけるための基礎調査を進めた。 2、露店商業界紙の分析に基づく1930・40年代日本の露店商集団の具体相の解明:上記1で得られた知見をふまえつつ、1930年代から40年代にかけて滋賀県、のちに京都府で発行されていた露店商業界紙『関西侠商新聞』・『小商人』・『日本商人』のうち、特に1930年代前期に関する部分の分析に着手し、当該期の露店商集団の具体相を解明するための実証研究を開始した。その現段階での成果については、研究報告「1930年代日本の露店商集団-「移動する弱者」という観点から」(部落問題研究所歴史研究会、部落問題研究所)において発表をおこなった。本研究報告については、2017年度中に原稿化することを予定している。また研究課題に関連する研究報告として、「20世紀前期日本の地域政治・社会の変容と「国家」イメージ」(占領戦後史研究会、二松学舎大学)をおこない、本研究が対象とする1930・40年代日本の露店商集団を含む20世紀前期の都市下層の動向をより広い歴史的文脈に位置付ける視座についても検討をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2016年度に実施を計画していた一方の課題であった「関係歴史資料の分析を通じた1930・40年代露店商集団に関する情報の豊富化と具体相解明」については、一定の進展を見たが、もう一方の課題であった「露店商業界紙『関西侠商新聞』・『小商人』・『日本商人』からの情報抽出・データベース作成」については、当初予定していた研究補助者への依頼が困難になったため、十分に実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2016年度に実施ができなかった「露店商業界紙『関西侠商新聞』・『小商人』・『日本小人』からの情報抽出・データベース作成」については、2017年度には着実に実施できる態勢を早急に構築し、研究の推進をはかる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度には、露店商業界紙『関西侠商新聞』・『小商人』・『日本商人』からの情報抽出及びデータベース作成のため研究補助者に作業を依頼する予定であったが、予期せぬ事情により依頼が困難になり、人件費・謝金及び作業のための物品費の執行ができなかったため、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度には、前年度の実施計画の遅れについての反省をふまえ、2016年度に実施ができなかった露店商業界紙『関西侠商新聞』・『小商人』・『日本商人』からの情報抽出・データベース作成に関する作業を着実に実施できる態勢を構築し、次年度使用額となった人件費・謝金及び作業のための物品費を有効に活用し研究の推進をはかる予定である。
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