研究課題/領域番号 |
16K21046
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
江川 純 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (80648527)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 自閉スペクトラム症 / リン酸化プロテオミクス / シナプス画分 / 機能解析 |
研究実績の概要 |
成長円錐のリン酸化プロテオミクスにより同定された神経発達に重要なタンパクリン酸化部位のうち、自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder; ASD)のリスク遺伝子であるGAP-43遺伝子、NLGN3遺伝子および我々がASDの複数罹患家系の全エクソン解析から同定したCLN8遺伝子 (Egawa et al., 2015) を選定して機能解析を進めている。GAP-43機能に最も重要と予測されるリン酸化部位であるSer41部位の変異(Ser41Ala)のヘテロノックインマウスを作成、それらのマウスを交配させホモノックインマウスを確立した。このマウスのシナプス画分のリン酸化プロテオームや行動解析バッテリーなどを用いて包括的な解析を行う予定である。ヒトASD患者においてGAP-43遺伝子にAsp23Gly変異が同定されたが、この変異はin silico解析により遺伝子機能に強い影響を与えていると予測されたため、この変異のプラスミドベクターを作成した。この変異を株化細胞および初代神経細胞に導入し、機能解析を行い重大な機能的変化を同定した場合、同変異のノックインマウスの作成を開始する。NLGN3遺伝子のリン酸化部位(Ser722)については同部位のリン酸化抗体の作成が完了しており、まずは同部位のリン酸化が多く発現するステージや分布について解析し、その後にこの部位の変異を導入するためのプラスミドベクターを作成、同様に包括的な機能解析を行っていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自閉スペクトラム症のリスク遺伝子データベース、神経細胞成長円錐のリン酸化プロテオミクスデータに加えて我々の疾患複数罹患家系から同定されたリスク遺伝子から機能解析の対象変異を絞り込むことができた。次年度は選定された遺伝子変異の機能解析を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で述べたように、予定通り選定されたリスク変異の機能解析をシナプス画分のリン酸化プロテオミクスを中心に行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実際の差引額は9,960円であり、ほぼ計画通りに執行されている。
|
次年度使用額の使用計画 |
実験試薬などに使用する。
|