研究課題/領域番号 |
16K21064
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
成瀬 廣亮 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 理学療法士 (70569160)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 運動機能 / 歩行 / 注意欠如多動症 |
研究実績の概要 |
注意欠如多動症(ADHD)の男児19例(ADHD群)と同年代男児21例(TD群)を解析対象として実施した。臨床所見はADHD rating scale(ADHD-RS)にてADHD症状を評価した。またADHDでは自閉症スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症 (DCD)の傾向を、それぞれASD傾向をAQ-Children’s Japanese version、DCD傾向をMovement Assessment Battery for children 2nd editionにて評価した。歩行は、10台の赤外線カメラと4台の床反力計を同期した3次元動作解析装置(VICON MX)を用いて、裸足で自由歩行とした。その結果、ADHD群ではTD群と比べ、MABC2が低値であり、巧緻動作、ボール動作、バランス動作のサブ項目においても有意に低値を認めた。また歩行ではADHD群ではTD群と比べ、ケイデンス、及び骨盤前傾角度が高値であった。これらの運動特性と症状との関係を検討した結果、ケイデンスはAQと、骨盤前傾角度はADHD-RS多動衝動スコアと有意な関係を示した。これらの結果より、ADHD児童の示す運動特性は、ADHD症状以外にもAQ傾向、DCD傾向と関係がある可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、医学系研究倫理審査委員会の承認を得るために準備中であり、運動中の脳活動を測定する機器を使用して予備実験を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
医学系研究倫理審査委員会の承認を得たのち、研究参加者を募集して運動中の脳活動を測定し、その後、注意欠如多動症に対しても同様に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
医学系研究倫理審査委員会の承認が未獲得であり、研究協力者の募集が行えないため
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次年度使用額の使用計画 |
研究協力者への謝金として使用する予定である
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