研究課題
FibrinogenAα鎖遺伝子の4899_4902delAGTG変異が挿入されたヒト型fibrionogenを産生するChinese Hamster Ovary(CHO)細胞の検体を用いて解析を行った。細胞培養の途中で採取される培養上清(細胞外成分)とCHO細胞自体を破壊して採取される細胞破砕液(細胞内成分)を用いて比較検討の方法をとった。これらの溶液内の異常Aα部位の検出を最優先とし、まず細胞破砕液においてSDS-PAGEをし、通常のCBB染色と免疫沈降法(抗フィブリノーゲン抗体)を用いて実験を施行したが、数か所の陽性バンド部位からゲルを切りとり、質量分析計にかけたがAα鎖自体が検出されなかった。次に抗Fibrinogen抗体と抗Aα鎖抗体を用いて上清と細胞破砕液を用い、プロテインAセファロースを用いたところ、同じく検出できなかった。次に以前施行されたWestern blotの陽性部位と照らし合わせ(陽性バンドと異なる分子量の位置)、陽性バンド以外を狙ってAα検出部位をバンド上で同定することができた。質量分析の結果得られたペプチドは正常Aα鎖で600の末端近くまで検出されるが、異常Aα鎖では475近傍までのみであり、その後は検出されなかった。生成された蛋白は正常型に比べ、より不安定で分解しやすいことが質量分析結果からも推測された。この変異Aα鎖の断端がゲルのより分子量の小さいところに流れていないかde novoシークエンス(ペプチドの一部のみでも推測する方法)を用いておこなったが、変異ペプチドの断端は得られなかった。MALDI-TOFでの解析は免疫沈降法の後、検出する予定だが、目標分子量の設定がうまくいかず、まだ実験結果が得られなかった。
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