CMG搭載宇宙機の姿勢制御に関する研究の多くは,特異点からの脱出・回避を行うためのジンバル駆動則の設計であり,これらは指令トルクを算出する制御則とは個別に設計されるため,特異点からの脱出・回避時における制御性能の劣化や角運動量飽和についての議論はなされていない.本研究はCMG搭載宇宙機の姿勢制御問題に対して,制御性能と特異点回避を同時に考慮できるという新しい制御手法を提案するものであり,様々なCMGシステムにも柔軟に適用できるという従来研究にはない特色を有する.また,CMGは建設用クレーンの吊荷姿勢制御にも用いられることから,宇宙機以外のシステムにも適用可能な汎用性の高い制御手法となる.
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