食物繊維の摂取が炎症性疾患発症のリスクを低下させること示唆されている。この抗炎症作用の一部は腸内細菌を介していることが判明しているが,水溶性食物繊維の一種であるペクチンは,直接宿主細胞に働きかけ,炎症応答を調節する可能性が示唆されている。しかしながら,その作用機構は不明である。TLR刺激RAW264.7細胞からのIL-6産生がペクチンの添加で抑制され,この抑制は主鎖分解ペクチンでも維持されていることを発見した。さらに,ペクチン投与マウスでは,LPS誘導性の炎症応答が減弱化し,パイエル板の炎症性サイトカイン発現量も低下した。以上より,ペクチン側鎖がTLRシグナルを抑制している可能性が示唆された。
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