研究課題
周産期ウイルス感染は統合失調症の発症リスク増加させることが報告されているが、その詳細な分子メカニズムについては不明である。我々はこれまで、擬似ウイルス感染を引き起こすpolyriboinosinic-polyribocytidylic acid (polyI:C)を用いた周産期ウイルス感染のモデル動物(polyI:Cモデル)を作製し、アストロサイト特異的に発現誘導されるInterferon-induced transmembrane protein 3 (IFITM3)が重要な役割を果たしていることを明らかにした。IFITM3の新規結合タンパク質として同定したRab GDP dissociation inhibitor (RabGDI)に注目し、IFITM3の機能解析を行なっている。平成28年度は主に培養細胞を用いたin vitroでの解析を中心に行なった。IFITM3とRabGDIの結合をpull down assayにより確認し、プロテオミクス解析の結果の妥当性を示した。また、培養アストロサイトでのIFITM3とRabGDIの局在を検討し、一部共局在していることが明らかになった。COS7細胞にIFITM3を発現させたところ、EEA1 positiveなvesicleの増大が認められ、Rab5の活性変化が認められた。PolyI:Cによる神経細胞障害はアストロサイトにdominant negative Rab5を発現させることで部分的に改善された。平成29年度は引き続きin vitro解析を行った。また、RabGDIの機能を解析するためにゲノム編集技術を利用したRabGDI KOマウスの作製を試みたが、目的とするKOマウスを得ることができなかった。以上より、IFITM3はRab5の活性を変化させEEA1 positiveなvesicleの増大に関与すること、polyI:Cによる神経細胞障害は部分的にRab5の活性が関与することが示唆された。
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