血漿中オレキシン濃度とせん妄には関連がなかった。オレキシンは主に脳から分泌されるため、オレキシンと脳との関係をより正確に把握するには、血液ではなく脳脊髄液を用いた研究が必要である。 腎機能の低下とともに体内のオレキシン濃度が高くなる可能性がある(血漿中オレキシンは腎臓を通して尿中へ排泄される可能性)。世界で血漿中オレキシン濃度を測定する研究が増えてきているが、今後は研究の計画や解釈に腎機能を考慮する必要がある。 入院時に簡便に入手できる情報からせん妄を予測することができるかもしれない。せん妄は予防が重要であるが、この結果をもとに、せん妄の起こる可能性の高い患者に集中的な予防策を講じることができる。
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