研究課題/領域番号 |
16K21084
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡 泰由 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任助教 (60762383)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | DNA損傷応答 / DNA修復 / 遺伝性疾患 / 小頭症 |
研究実績の概要 |
DNA損傷応答・DNA修復機構の異常が原因で発症する劣性遺伝性疾患として、ファンコニ貧血、コケイン症候群、ゼッケル症候群などが挙げられる。これら劣性遺伝性疾患の中には、疾患発症の原因となる遺伝子変異の同定に至っていない症例が多数存在している。また、これら劣性遺伝性疾患の共通の臨床所見として、先天性小頭症が挙げられる。そこで本申請研究の目的は、先天性小頭症患者から、DNA損傷応答・DNA修復機構に関連する新規の疾患発症因子を同定し、病態解明へと繋げることである。 課題1: 先天性小頭症患者由来の細胞からDNA損傷応答・DNA修復機構に異常を示す細胞を見つける。 課題2: DNA損傷応答・DNA修復機構に異常を示す患者のゲノムDNAを用いて、次世代ゲノム解析を実施する。 課題3: 課題1と課題2により絞り込まれた疾患発症候補因子の検証ならびに機能解析を行う。 H28年度は課題1と課題2を実施した。課題1に関しては、50症例以上の先天性小頭症患者由来の細胞を用いて、DNA損傷応答・DNA修復機構が正常に機能しているかを検討した。具体的には、蛍光免疫染色法ならびにウエスタンブロッティング法を用い、DNA損傷を誘導した後に、DNA損傷応答・DNA修復機構に関連した蛋白質の局在、発現量、翻訳後修飾を検討した。その結果、DNA損傷に応答して活性化されるシグナル伝達機構の一つが正常に機能しない細胞を見出した。課題2に関しては、課題1によって見つけたDNA損傷応答・DNA修復機構に異常を示す細胞からゲノムDNAを抽出し、エキソーム解析を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先天性小頭症患者50症例の解析から、DNA損傷応答・DNA修復機構に異常を示す細胞を見つけ、エキソーム解析まで実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、DNA損傷応答・DNA修復機構の異常の有無に着目した先天性小頭症患者由来の細胞を用いたスクリーニングを実施する。DNA損傷応答・DNA修復機構に異常を示す細胞に関しては、エキソーム解析に加え、RNAシーケンスならびに全ゲノム解析を行う。課題3である、疾患発症候補因子の検証ならびに機能解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次世代ゲノム解析のコストを予定していた価格より抑えることができたため。スクリーニングを実施するために予定していた試薬を、詳細な条件検討を行ったことにより、スモールスケールで利用することができるようになったため。
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次年度使用額の使用計画 |
追加で収集した先天性小頭症患者由来の細胞に関して、DNA損傷応答・DNA修復機構の異常の有無を検討する。疾患発症に関連する遺伝子変異を同定するするために、エキソーム解析に加えて、RNAシーケンスならびに全ゲノム解析を実施することで疾患責任因子の同定率の向上を試みる。
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