本研究は,モンゴル・シネフダグ層と米国・グリーンリバー層を対象とし,白亜紀中期および始新世前期“温室期”における年~万年スケール気候変動の実態解明を試みてきた. シネフダグ層に対して蛍光顕微鏡を用いた夏季藻類生産量変動の復元と,μXRFコアスキャナーを用いた降水量指標変動の復元を行った結果,約11年,90~125年,210~240年,400~500年,1000~1450年,2000~2300年といった太陽活動変動と類似した周期性で変動していた. またグリーンリバー層の堆積相解析と採取試料の主要・微量元素組成の分析を行った結果,湖生物生産量が始新世前期の日射量変動を反映して変動していた.
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