研究課題/領域番号 |
16K21100
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
社河内 友里 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 准教授 (30616347)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ビート・ジェネレーション / アメリカン・コミックス / 主流文化 / 対抗文化 / 消費文化 |
研究実績の概要 |
本研究は、1950~1960年代のアメリカにおいて注目を集めた作家集団、ビート・ジェネレーションの文化の、その後の世代における受容形態を、1950~2010年代までのアメリカン・コミックスにおける表象から明らかにするものである。特に、1990~2010年代の受容形態を明らかにすることを目的としている。令和3年度は、特に2010年代以降のビート文化受容について考察した。 まず、アメリカのマーベル・コミックスの作品、X-Menにおける1990年代~2010年代のビートニク表象の変遷を、1990年代以降の現代ヒップスター文化における真正性を追求する傾向に関連させて論じ、国際会議2021 Conference of the Popular Culture Association /American Culture Association (U.S.)において発表した。 また、X-Menのみならず、Spiderman、Deadpoolなどの、主に2000年代~2010年代のマーべル・コミックスの複数の作品におけるビート文化表象の変遷を分析した。特に、これらの作品に共通して描かれているビートニクのキャラクターと、現代ヒップスター文化およびWoke Movementとの関係性、また、ビート・ジェネレーションの文学に見られる精神的な超越状態の描写と結び付けて論じ、日本アメリカ文学会中部支部例会において発表した。 さらに、ビート・ジェネレーションの作家ジャック・ケルアックの『地下街の人々』の現代社会における受容形態から、2010年代以降のキャンセルカルチャー(特に人種とジェンダーの観点におけるキャンセルカルチャー)とビート文化受容を関連させて論じ、日本アメリカ文学会中部支部大会のシンポジウムにおいて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2010年代のアメリカン・コミックスにおけるビート文化受容形態についての考察を行い、研究成果を発表することを令和3年度の研究計画としていたが、これらを概ね計画通りに実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、令和4年度は、1950~2010年代の一連のビート文化受容形態の変遷とその要因を考察する。研究成果を国内外の学会にて研究発表すると共に、論文を学会誌等で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
二度の産前産後休暇及び育児休業により、研究の一部中断・期間延長をしたため、当初の予定を変更して使用する必要が生じた。 令和1年8月~令和2年度に予定していた物品費・旅費の支出を、令和3~4年度の支出に変更し、資料収集及び研究発表を行っており、今後も引き続きその予定である。
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