| 研究課題/領域番号 |
16K21126
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
山口 敬太 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80565531)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 風致 / 景観 / 観光 / 公園 / 都市計画 |
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| 研究実績の概要 |
本年度の研究実績は以下の通りである。
１）日本における初期の風致地区の運用事例として、複数の都市について資料収集を行った。研究計画に記載の通り、平成30年度まで資料収集を継続する。
２）戦前神戸における山地開発と風致保護の実態を、部落有林野の解体と山地の近代化という観点から明らかにした。すなわち昭和以降の鉄道会社による登山鉄道の敷設と観光会発の経緯、兵庫県都市研究会の設立と山地計画の立案、山地道路計画とそれに対する風致保護運動、風致地区指定をめぐる山地の開発・保護の論争の内容と経緯を明らかにした。本研究の成果については、『近代日本の空間編成史』（中川理編，思文閣出版，pp.119-156，2017年4月発行）の「神戸背山の開発と風致保護―部落有林野の解体と山地の近代化―」において発表を行った。
３）戦前京都における風致行政の実態について、京都府行政文書・風致地区関係文書の資料調査と、その内容の分析を進めた。すなわち、昭和6-9年の京都都市計画風致地区内における許可申請書類を分析資料として、現況変更行為に対する指導内容や許可・不許可の判断を読み取り、風致行政における景観規制・誘導のあり方を把握した。本研究の成果の一部については、「戦前の京都都市計画風致地区内における建築物等の行為許可の実態について」景観・デザイン研究講演集 No.13（pp. 261-267， 2017年12月）において発表を行っている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は昨年度から引きつづき全国的な資料調査を進めるとともに、戦前京都における風致行政の実態を把握するための京都府行政文書・風致地区関係文書の資料調査および研究を進めており、概ね順調に進展している。なお、本年度の具体的な研究成果としては、以下のものがあげられる。
・「神戸背山の開発と風致保護―部落有林野の解体と山地の近代化―」『近代日本の空間編成史』（中川理編，思文閣出版，pp.119-156，2017年4月発行）、
・「戦前の京都都市計画風致地区内における建築物等の行為許可の実態について」景観・デザイン研究講演集 No.13（pp. 261-267， 2017年12月）
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| 今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、大阪における風致地区指定の趣旨および経緯の詳細について研究を進めるとともに、堺の海浜地における風致整備の実態を明らかにするべく研究を進める。両者ともに基本的な文献は既に収集しており、今後、時間をかけた読み込みと、関連資料のさらなる収集をしたうえで、論文の執筆を行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
旅費について計画していた額よりも支出が少なかったものについては，複数発表した学会が京都開催で旅費が必要なかったことが大きい．また，物品については，必要のタイミングの関係上，一部を平成30年度の使用に繰り越した．
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