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2018 年度 実施状況報告書

薄明視という新たな視点による霊長類の3色型色覚の優位性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K21132
研究機関東京大学

研究代表者

西川 真理  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員 (50771680)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード色覚 / 色覚多型 / 遺伝子 / 霊長類 / 広鼻猿 / 薄明環境
研究実績の概要

本研究では、同一種内に2色型色覚と3色型色覚の個体が混在する広鼻猿を対象として、「昼行性霊長類にみられる3色型色覚は、薄明環境下で赤色系の食物(果実)を効率的に採食することに優位性がある」という仮説(薄明適応説)の妥当性を検証することを目的としている。
本年度は、コスタリカ共和国のサンタ・ロサ国立公園に生息する野生のノドジロオマキザルを対象としたフィールドワークをおこなった。人づけされたノドジロオマキザルの3群を行動観察の対象とし、その中からオトナメスとオトナオスの合計38個体を採食行動の観察対象とした。観察対象個体は、身体的特徴によって識別した。観察バイアスを避けるために、各観察対象個体の色覚型は分からない状態で行動観察をおこなった。本研究で着目している薄明環境となる日の出・日の入り前後の各約30分(合計1時間)の各時間帯において、観察対象個体が果実を採食した場合、その時刻、植物名、果実の色、光環境、採食速度、採食成功率について記録した。ノドジロオマキザルは、薄明環境となる時間帯にも活発に活動し、さまざまな色(赤、黄色、白、紫など)の果実を採食していることが分かった。しかし、本年度内には必要十分なデータが集まらなかったため、来年度にも採食行動のデータを同様の手法で収集する予定である。データ収集の完了後に、色覚型と採食行動にかんするデータを分析し、3色型色覚の薄明適応説について検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究課題の開始当初にコスタリカへの渡航時期が遅れたため、自然環境下での広鼻猿の採食行動のデータ収集が遅れ、まだ十分なデータが集まっていない。そのため、「やや遅れている」と評価した。

今後の研究の推進方策

ひき続き、サンタ・ロサ国立公園で野外調査をおこなう予定である。これにより、不足しているデータを補い、データ分析および論文執筆を進める。

次年度使用額が生じた理由

本年度に計画していた野外調査が、予定よりも短期間になったため、旅費の使用額が当初の予定よりも少なかった。次年度使用額として生じたものを2019年度の調査・研究に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Genetic polymorhism of color vision type of Bolivian squirrel monkeys in Japan Monkey Centre2019

    • 著者名/発表者名
      Mari Nishikawa, Takashi Hayakawa, Akinori Dosho, Ryosuke Ichihara, Kei Nemoto, Aamanda Melin, Shoji Kawamura
    • 学会等名
      第63回プリマーテス研究会

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公開日: 2019-12-27  

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