研究課題/領域番号 |
16K21180
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
今出 真司 島根大学, 医学部, 助教 (10581077)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | プラズマ滅菌 / 骨形成用複合加工機 |
研究実績の概要 |
昨年度試作段階まで済んでいたプラズマ装置を搭載する予定の骨用複合加工機の製作を進め、H29年9月には概ね完成するに至った。本加工機は5軸制御であり、現在使用している骨加工機に比較し処理時間を1/4程度に短縮できる。かつこれまでGコード直接入力方式を採用していたが、対称の形状を入力すれば自動処理で加工パスが算出されるソフトも開発し操作性を向上させ、汎用性や安全性も大幅に進歩した。同年12月には記者会見を行い、その取り組みを広く社会に周知した。一方で滅菌対応が未完であり、プラズマ装置を搭載しての実験開始には至っていない。 プラズマ条件検索について、昨年度の予備実験からプラズマ殺菌効果を立証したかに思えたが、その後の追加実験の結果から、採用していたプラズマ条件では想定より寒天培地表面の温度が高温であり、熱による殺菌効果が結果に影響を与えている可能性が浮上した。そこで、寒天培地上で対象菌が死滅しない温度に制御し、かつプラズマインジケータが変化する(ラジカルが存在し滅菌効果を期待できる)条件を検索した。結果、ガスはアルゴン2L/min,酸素200ml/minで、装置からの距離が35mm、曝露時間60秒以内という至適条件を発見するに至った。また湿度も影響することが判明し、多湿を避けるよう環境設定する必要があることがわかった。 本年度の成果により、プラズマ装置搭載用加工機が概ね完成し、プラズマ条件設定が終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
プロジェクト自体は進展しているものの、加工機開発の遅れとプラズマ条件設定検索に遅れを生じたことから、全体に遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果から、最終実験への準備は終了した。来年度は確立したプラズマ条件による処理を行い滅菌効果を検証する。また、新型骨用加工機に対するプラズマ装置搭載の効果を検証する。他方、形成した移植骨を生体へ移植し、プラズマ処理による骨癒合能向上効果など副次的効果も検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
上述の通り、プラズマ条件検索に手間取り滅菌効果判定実験や生体実験を実施できなかったため残金を生じた。しかしいずれも本年度の成果により来年度実施可能となったので、残金を使用して同実験の実施を行う予定である。
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