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2016 年度 実施状況報告書

化学シナプスによる情報伝達をターゲットとした神経障害性疼痛発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K21187
研究機関岡山大学

研究代表者

丸濱 功太郎  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60712792)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード神経障害性疼痛 / ボツリヌス毒素 / SNAP-25
研究実績の概要

本研究課題では、ボツリヌス毒素(BoNT)の化学シナプスによる情報伝達を抑制する効果を用いて、神経障害性疼痛の発症機序ならびに感覚入力における情報伝達機構を解明することを目的とするものである。
平成28年度の研究実施項目に従って進捗し、下記の研究成果を得た。
研究項目1) 三叉神経節・脊髄神経系・中枢におけるBoNTの膜タンパク質SNAP-25の切断;in vitroにおいて、SNAP-25の切断を確認するため6週齢ラットから摘出した三叉神経節と後根神経節培養細胞にBoNTを直接投与してwestern解析したところ、BoNTを投与することによりSNAP-25を切断することが示された。in vivoにおいて発現を確認できているSNAP-25がBoNTを投与することによる影響を解析中である。
研究項目2) 神経障害性疼痛モデルにおけるBoNTの侵害受容2次ニューロンへの効果;6週齢ラットの総腓骨神経を結紮し、von Frey filamentを用いた機械的刺激、およびプランターテストを用いた熱刺激を加え、逃避行動を示す閾値と潜時の測定を行った結果、後根神経節へBoNTを投与することにより神経障害性疼痛モデルラットにおいて発現する疼痛関連行動を軽減することが示された。末梢機械受容器と1次ニューロンの神経終末、そして1次ニューロンと2次ニューロンへBoNTを投与することによる影響、また脊髄における組織学的検討を解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vitroにおいて、三叉神経節と後根神経節培養細胞にBoNTを直接投与することによりSNAP-25を切断することが示されたことから、予定通りに研究が進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成29年度の研究実施項目に従い、下記のように進めていく。
研究項目3):末梢機械受容器と1次ニューロンの神経終末との間、また1次ニューロンと2次ニューロンの間にある化学シナプスによる情報伝達部位へBoNT/A・Eを投与後、侵害受容入力となる強度の機械的刺激および・熱刺激を加え、疼痛関連行動の観察による行動学的検討、ならびに脊髄におけるc-Fos発現を解析する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由について、in vitroにおける行動学的・組織学的検討に重点を置き実験を行ったため、経費使用の節約となった。

次年度使用額の使用計画

今年度、in vitroにおいて明らかとなった情報伝達部位におけるin vivoの実験を行っていくこと、また研究成果の学会発表を行うことで使用を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 末梢神経損傷後の脊髄後角ニューロンの興奮性における時間空間的変化2016

    • 著者名/発表者名
      寺山隆司,山本裕也,岸本宜子,田畑光康,丸濱功太郎,飯田征二,杉本朋貞
    • 学会等名
      第58回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2016-08-24 – 2016-08-26

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公開日: 2018-01-16  

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