研究課題/領域番号 |
16K21189
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研究機関 | 産業技術大学院大学 |
研究代表者 |
大崎 理乃 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 助教 (50630802)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 協調学習 / 知識構成型ジグソー法 / 学習科学 / 教育工学 / グループワーク / 教材設計 / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究は,アクティブ・ラーニング型授業の一種として注目されている知識構成型ジグソー法の「効果的な教材設計方法が明らかになっていない」という課題を解決するために,学習事項を可視化する「機能機構階層図(FMH)」を用いたジグソー教材設計方法を提案し,有効な運用方法の検討をデザイン研究として行うものである.平成28年度の計画では,(1) FMHを用いた新たな教材設計方法の有用性検討,(2)FMHの作成方法の検討,(3)初等中等教育課程での実現可能性検証,の3点でそれぞれ活動を予定していた. (1) FMHを用いた新たな教材設計方法の有用性検討では,計画通りに,FMHを設計に用いた教材を使用して授業実践を行い,データの収集と分析を行った結果,FMHが教師に教材改善の視点を与え,さらなる教材改善に繋がることが確認されるなど,提案手法の有用性が示唆された.さらに,教師の見取りによる教材改善の妥当性をFMHで説明できることも確認された. (2)FMHの作成方法の検討については,計画通り,理科系単元を対象とした新たなFMHの作成プロセスを通して,作成方法の検討に必要なデータを収集した.また,文系科目でのFMH作成に向けた,研究協力者等との教材開発や調査を行った結果,FMHの作成前に作成プロセスのより詳細な整理が必要であることが明らかとなった. (3)初等中等教育課程での実現可能性検証においては,研究協力者の他,アクティブ・ラーニング型授業の実践へ積極的に取り組んでいる現職教員らとの意見交換を通して,FMHによる「学習の深さ」の表現に有用性があるなどの意見が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のように,計画通り調査・分析が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
(1) FMHを用いた新たな教材設計方法の有用性検討では,研究計画通り,作成したFMHを用いて,各種実践事例の教材や実践結果の分析を行う. (2)FMHの作成方法の検討では,平成28年度の調査結果を踏まえて,新しいFMHの作成検討の前に,平成28年度のFMH作成プロセスのより詳細なデータ分析を行い,作成時の留意点や手順の整理を行う. (3)初等中等教育課程での実現可能性検証では,引き続き研究協力者や現職教員を対象とした情報発信と情報収集を行い,提案手法の初等中等教育課程での利用可能性検討を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった収録用機器の生産終了に伴い,収録用機器の再選定が必要となり,一部未購入となったため.
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次年度使用額の使用計画 |
未購入機器の購入に使用する予定である.
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