アンジオテンシン受容体拮抗薬であるテルミサルタンは広く処方されている高血圧症の治療薬である。本研究ではテルミサルタンの食道腺癌に対する抗腫瘍効果を証明し、その作用機構と関連するマイクロRNAの同定を行った。In vitroとIn vivoの実験において、テルミサルタンは食道腺癌細胞株の細胞および腫瘍増殖を時間・濃度依存的に抑制していた。またテルミサルタンは細胞周期関連蛋白CyclinEなどの低下により細胞周期停止と腫瘍増殖抑制効果を誘導する。さらなる抗腫瘍作用のメカニズムとして、AMPKαのリン酸化亢進によるmTORの抑制、miR-301a-3pの発現が低下が抗腫瘍作用に関与すると考えられた。
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