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2017 年度 実施状況報告書

新生児壊死性腸炎に対する糞便移植の有効性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K21204
研究機関香川大学

研究代表者

藤井 喬之  香川大学, 医学部, 助教 (00746696)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード短腸症候群 / 腸内細菌叢 / guar gum
研究実績の概要

新生児医療の発達に伴い、超低出生体重児の出生数の増加と、救命率の改善がみられたが消化管穿孔の頻度は増えている。なかでも壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis:NEC)はいったん発症すると死亡率は依然高く、予防法の確立が求められる重要な疾患である。NECの約90%は未熟児に発症し、腸管穿孔から敗血症性ショックを引き起こす重篤な疾患である。発症の重要な因子として児の未熟性に加えて腸内細菌叢の異常(腸内菌共生バランス失調)がある。近年、糞便移植により腸内菌共生バランス失調が是正されることが判明し注目されているが、NEC発症の予防に試みた報告はない。本研究は未熟児に対する糞便移植により正常な腸内細菌叢が確立され腸内菌共生バランス失調を防ぎ、腸管防御能の活性化により細菌感染予防や過剰な炎症反応が抑制されNEC発症を予防出来ると仮説を立てた。新たな予防・治療法開発のための基礎的研究段階として、壊死性腸炎に高率に合併する短腸症候群のラットモデルを用いて腸内細菌叢の解析を行った。また、より効果的に糞便移植を行うために整腸作用があるとされるguar gumを投与することでの腸内細菌叢の変化を解析し、その際の血液検査所見、理学的所見および腸管の病理組織学的変化の検証を行った。その結果、guar gumを投与したラットでは病理組織学的に腸管の炎症所見の抑制を示唆する所見が得られた。このことから、guar gumを投与したラットの糞便移植は、非投与ラットの糞便移植よりも効果的な可能性があると考えられた。腸内細菌叢や腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸の解析を行いその機序を明らかとするためにさらなる検証を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

長期生存可能な短腸症候群ラットモデルを確立するまでに時間がかかったため、当初の計画からやや遅れている。

今後の研究の推進方策

guar gum投与による腸管の病理学的炎症所見の軽減と、腸内細菌叢、短鎖脂肪酸との関連を明らかとする。それにより、より有効な糞便移植の確立を目指していく。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画よりも研究の進行がやや遅れたため。次年度に引き続き使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Nutritional Benefit of Recycling of Bowel Content in an Infant With Short Bowel Syndrome2017

    • 著者名/発表者名
      TANAKA, Aya; Nakayama-Imaohji, H; SHIMONO, Ryuichi; SUZUKI, Motoo; FUJII, Takayuki; KUBO, Hiroyuki; YASUDA, Saneyuki; KOYANO, Kosuke; NAKAMURA Shinji; KATSUKI, Naomi; KUWAHARA, Tomomi
    • 雑誌名

      J Pediatr Gastroenterol Nutr

      巻: 65 ページ: 75-76

    • DOI

      10.1097/MPG.0000000000001630

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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