研究課題
本研究の目的は,災害発生時に地域住民自らが状況を判断・意思決定し,被害軽減の早期対応行動に繋げるための対応行動促進システムの開発である.本研究では,地域住民に対する台風災害時の危機的状況認識と対応行動開始の支援を実現するため,レジリエンス(災害発生の危機的状況に陥ったとしても適応できる能力)の4要素(過去の危機的状況の発生を知っている「学習」する能力,現在の状況を「監視」する能力,次に発生し得る状況を「予見」する能力,危機を「対処」する能力)に着目して,以下に示す研究項目1)から研究項目4)のシステムの開発に取り組んだ.平成28年度は,地域住民の「学習」能力や「監視」能力の支援として,研究項目1)の災害時対応行動データベースの構築と,研究項目2) Web上からリアルタイムに災害時の行動情報を収集する手法を提案した.平成29年度は,地域住民の「予測」能力や「対処」能力の支援として,研究項目3) 数時間後の状況予測から地域住民の推奨対応行動の決定や,研究項目4) Web地図を活用した地域住民の対応行動を促進するシステムの開発に取り組んだ.本研究に関連する研究成果は,国内査読付き論文1件,国際会議発表1件,国内学会発件9件として発表した.本研究の主な成果は,レジリエンス・エンジニアリングで示される「学習」「監視」「予見」「対処」の4要素を具体化するための情報システムを提示した点である.本研究で開発したWebシステムはインターネットで公開し,今後は,地域住民を対象に開発したシステムを活用する予定である.
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 3件) 備考 (1件)
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