この研究期間内にさかんになってきた19世紀フランス哲学の研究において、刊行された哲学書だけでなく文化現象や芸術理論は大きな意味をもっている。これに寄与し、演劇において身体から心へのアプローチがはじまった時期における身体と心との関係を問う基礎ができた意義は大きい。また、19世紀末は科学が生活を大きく変えた時期という点で、ARやVR、さらにはIOB(Internet of Bodies) が大きく生活を変えつつある現代の状況と呼応している。この時期に芸術が科学に対して、科学が芸術に対してどのような想像力を発揮したのかを検討することは、現代における芸術の意義を問うことにも結びついている。
|