研究課題/領域番号 |
16K21217
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
脇坂 真彩子 九州大学, 留学生センター, 講師 (90750662)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | タンデム学習 / eTandem / 学習者オートノミー / 学習者同士の学び合い / 動機付け / 自己主導型学習 / CMC |
研究実績の概要 |
本研究は、ドイツと日本でのEタンデム・プロジェクトの実践研究、および日本語に関連するタンデム学習の実践の文献調査をもとに、「タンデム学習のガイドライン」を作成しようとするものである。 平成28年は本研究の初年度にあたり、次のことを行った。 まず、Eタンデム・プロジェクトの実践研究については、①平成28年4月~6月(第1期)と平成28年10月~12月(第2期)にドイツにいる日本語学習者と日本にいるドイツ語学習者がインターネットを介してタンデム学習を行う「Eタンデム・プロジェクト」を実践した。②Eタンデム・プロジェクトにおける学習活動にどのような特徴があるかを探るため、4つのペアのEタンデムの学習活動中の会話データを各ペア2回ずつ収集した。③Eタンデム・プロジェクトが参加者にどのように捉えられていたかを探るため、第1期と第2期の終了後に、参加者にアンケート調査を実施した。④参加者のEタンデムでの学びと学習に対する意識についてより深く理解するため、6名の参加者にインタビュー調査を行った。収集したデータは文字化し、分析を進めている。⑤タンデム学習における、よりよいサポートのあり方を探究するため、第1期と第2期の実践研究をもとに、サポートの枠組みを改善した。 また、これまで申請者が行ってきたタンデム学習プロジェクトの実践について整理・記述し、日本語に関連するタンデム学習の実践研究・報告の文献収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Eタンデム・プロジェクトの実践研究については、平成28年4月~6月(第1期)と平成28年10月~12月(第2期)にドイツと日本でのEタンデム・プロジェクトを実施し、プロジェクト参加者のうち4つのペアの学習活動中の会話データ(各2回分)を収集し、各期終了後に参加者にアンケート調査およびインタビュー調査を行った。当初はインターネット電話を介した学習活動の録画をし、それをもとにフォローアップインタビューを行う計画であったが、録画がインターネットの接続に大きな影響を与え、学習を中断する要因になることがわかったため、録画を学習活動中の会話の録音に変更し、フォローアップインタビューの代わりに学習期間終了後に個別のインタビュー調査を実施することにした。インタビュー調査は6名の学習者に行った。プロジェクトの実践とデータ収集に関しては概ね計画通りに進んでいるが、文字化作業を依頼できる人が見つからなかったため、文字化作業と分析が計画よりもやや遅れている。 また、日本語に関連するタンデム学習の実践に関する調査については、関連する文献の収集と整理を行った。しかし、当初の計画では平成28年3月にサンパウロ州立大学でTeletandemプロジェクトについてのフィールド調査を行い、記述する予定であったが、ジカ熱の流行により渡航が中止になったため行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、Eタンデム・プロジェクトの実践研究については、第3期のEタンデム・プロジェクトの実践と学習活動中の会話データの収集、第3期終了後のアンケート調査の実施、参加者へのインタビュー調査を行う。また、平成28年度の第1期と第2期で収集したデータの文字化と分析を進める。日本語に関連するタンデム学習の実践に関する文献の収集と整理・記述も引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
ドイツ語・英語・日本語が混ざった音声データの文字化を依頼できる適切な人材が見つからなかったためテープ起こしを依頼できなかった。また、ホームページの更新が平成28年度中に完了しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
テープ起こしについては、平成29年度に適切な人材を見つけ、計画通り使用する予定である。ホームページの更新は現在作業中である。
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