研究課題/領域番号 |
16K21223
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和田 達弘 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (60444832)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 放射線医学 |
研究実績の概要 |
本研究は,magnetic resonance imaging (MRI)を利用した新たな分子イメージングであるchemical exchange saturation transfer (CEST)イメージングを用いて,膝関節を構成する物質であるグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan:GAG)を反映したgagCESTイメージングの開発が目的である. まず,CESTイメージングの処理・解析の環境構築を行った.次に人体への応用を目標とし,ファントムでgagCESTイメージングが実現可能か検討を行った.CESTイメージングは検出対象物質の濃度,pH,温度に依存するため,それぞれを人体と同等の状態に調整したファントムを作成する必要がある.今回は,リン酸緩衝液を用いてgagの濃度とpHを変化させたファントムを作成し実験を行った.また,実験の際には,ファントムの温度を体温に近い状態まで上昇させた. 結果は,静磁場の不均一の影響が大きく,十分な結果が得られなかった.また,RF波の不均一の影響も大きく出てしまった.そのため,gagCESTイメージングの濃度依存性やpH依存性の評価を行えなかった. 検出対象であるGAGのOH基のプロトンは,バルク水のプロトンと非常に近い共鳴周波数(1 ppm)のためより静磁場の不均一に敏感である.今後は,静磁場の不均一補正用の撮像シーケンスおよび画像解析について先行研究を参考に再調整する.また,ファントムの形状が小さいため静磁場の不均一の影響が出たと考えられる.ファントムの形状を考慮して再度ファントムを作成する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CESTイメージングの処理・解析方法の環境は整えることができた.撮像パラメータの検討などの基礎的な検討をファントム実験にて行う予定であったが,ファントムのデータをうまく取得することができなかった.ファントムで良好な結果が得られていないため,人体への応用が遅れてしまっている.
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今後の研究の推進方策 |
ファントムの形状が小さいため静磁場の不均一の影響が出たと考えられる.ファントムの形状を考慮して再度ファントムを作成する. 静磁場の不均一補正用の撮像シーケンスについて先行研究を参考に再調整する.また,画像解析の問題点もあると考えられるため,静磁場の不均一を補正する処理方法についても先行研究を参考に再調整する.
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次年度使用額が生じた理由 |
ファントム研究を進めていたが,良好な結果が得られず,人体への応用に進んでいない.そのため,学会参加が少なくなり,予算額より使用額が大幅に異なったと考える.
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次年度使用額の使用計画 |
学会に参加して情報収集を行い,自分の研究に還元する.また,追加の実験を行い,良好な結果が得られれば学会参加・発表を行い,論文投稿を行う.
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