本研究で対象としたgrowth factor receptor-binding protein 14(Grb14)はインスリン受容体に結合し、下流のシグナルを抑制することが知られている。研究代表者は過去、リン酸化酵素であるGSK-3が、Grb14とインスリン受容体の複合体形成に影響を与えることを示唆する結果を得た。本研究ではGrb14内部でGSK-3によるリン酸化を受けるセリン残基、の機能をより詳細に検討した。また、当該リン酸化セリンの脱リン酸化を担うホスファターゼの探索も併せて行なった。さらに、計算化学によりGrb14とインスリン受容体の複合体形成を阻害する低分子量薬剤の探索を行った。
|