研究課題/領域番号 |
16K21227
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
松本 雄一 佐賀大学, 農学部, 講師 (80538265)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 生殖隔離 / メロン |
研究実績の概要 |
植物材料としてC.anguria PI320052およびPI364475を用いた。植物体からのDNA抽出はそれぞれの葉からDneasy Plant Mini Kitにより行い、Qubitフルオロメーターを用いてDNA濃度を20 ng/μlに調整した。RAD-seqは制限酵素としてEcoRIを用いてライブラリを作成し、HiSeq2000を用いてシーケンスを行った。解析についてはRAD-seqにより得られた46bpのリードについてBowtieソフトを用いてメロンリファレンス及びキュウリリファレンスにマッピングを行った。また、SNP検出についてメロンリファレンスを用いた方法とリファレンスを用いない方法を比較した。 RAD-seqにより得られた配列のメロンリファレンスへのマッピングの結果、PI320052については得られたリードのうち30.4%、PI364475については27.9%がマッピングされた。キュウリリファレンスへのマッピングの結果、PI320052については得られたリードのうち17.2%、PI364475については17.0%がマッピングされた。SNP検出の結果についてはメロンリファレンスを用いた解析において1,258のSNPを、リファレンスを用いない解析では22,908のSNPを検出した。リファレンス使用の有無でこのような差が生じたのは、メロンリファレンスがC.anguriaのリードに対して約30%程度しかカバーできていなかったためと考えられる。一方でリファレンスを用いない方法においては22,908のSNPを検出できた。これは今後の連鎖解析において十分な数であると考えられる。 今後本結果を基にPI320052とPI364475との交雑に由来するF2集団に対してRAD-seqを適用し、同時に花粉管伸長を観察することで生殖隔離緩和遺伝子piaに関する連鎖解析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RAD-seqによりメロンリファレンスが適用できない可能性が示唆された。また、表現型解析についてやや遅れが見られている。これらについては、個体数を増やす、作付け面積を拡大するなどによる対応により解決を図る。
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今後の研究の推進方策 |
F2の表現型について規模を拡大した観察を行う。RAD-seq法についてはリファレンスなしでも十分対応できることが示唆されたことから、本方法により解析を進める。 シーケンサー解析については委託により効率化を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
RAD-seq解析において、メロンリファレンスの使用ができないことが明らかとなったため、リファレンスを用いない実験方法へと変更を行うこととした。これらの対応についての検討により、植物栽培可能時期との兼ね合いから、メインとなるサンプル集団の遺伝子解析の委託については次年度に実施することとなり、その委託費用およびそれに向けた試薬等物品費が未執行なため。
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次年度使用額の使用計画 |
圃場規模の拡大により、昨年度実施予定であった次世代シーケンサーによる解析をサンプルを増やした形で今年度まとめて実施する。また、そのための試薬類などについても当年度に執行し、計画と同じ内容の解析を進める。
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