研究実績の概要 |
生殖隔離緩和遺伝子piaの領域の特定に向け、RAD-seqをキュウリ属の野生種に適用し、系統間のSNPの検出と解析方法の検討を行った。 RAD-seqにより得られた配列のメロンリファレンスへのマッピングの結果、PI 320052については得られたリードのうち30.4%、PI 364475については27.9%がマッピングされた。キュウリリファレンスへのマッピングの結果、PI 320052については得られたリードのうち17.2%、PI 364475については17.0%がマッピングされた。SNP検出の結果についてはメロンリファレンスを用いた解析において1,258のSNPを、リファレンスを用いない解析では22,908のSNPを検出した。一方でリファレンスを用いない方法においては22,908のSNPを検出できた。これは今後の連鎖解析において十分な数であると考えられた。 そこで実際に、PI 320052とPI 364475間のF2分離集団39系統を用いた解析を行った。各系統のDNAを、single-digest RAD-seq法を用い解析を行った。制限酵素としてEcoRⅠを用いたライブラリーを作成し、Hi-seq2000でシーケンスを行った。RAD-seqから得られたデータをもとに連鎖地図を構築した。 その結果、23222個のSNPが検出された。これらをもとに、連鎖解析を行ったところ、684個のSNPマーカーが座乗した34連鎖群からなる全長6433.9 cMの連鎖地図が作成された。 pia遺伝子の座乗位置については、供試個体数が少ないこともあり明らかとなっていないが、今後個体数を増やすことで本方法により解明されることが期待できる結果となった。
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