研究課題
瞬発的筋力は運動パフォーマンスや高齢者の転倒予防能力に関連する極めて重要な体力要素であり、瞬発的筋力発揮を伴う筋力トレーニングによって比較的短期間で向上させることが可能であるが、向上した瞬発的筋力がトレーニングの中断(ディトレーニング)や再開(リトレーニング)によってどのように変化するかは明らかでない。実際のトレーニングプログラムへの応用を考えた場合、「ディトレーニング時にどの程度の筋力低下が認められるか」や、「ディトレーニング後にリトレーニングすることで瞬発的な筋力がどの程度回復するか」といった知見を得ることは極めて重要となる。そこで、これらの点について明らかにするために、前年度までの間、一般男性を対象として、瞬発的筋力発揮を伴う短期間の筋力トレーニングを実施し、トレーニング期間前後およびトレーニング期間終了後しばらくしてから(2週間から8週間)、筋力測定(最大筋力・筋力の立ち上がり率[RTD])を行った。また、その後にリトレーニングを実施することにより、どの程度、瞬発的筋力が回復するかの検証を行った。当該年度では、これら前年度までに終了していた実験について、被験者数をさらに追加し、そのデータの信頼性を高めるのとともに、得られたデータの詳細な解析を行っていった。その結果、瞬発的筋力トレーニングを中断し、その後リトレーニングする場合、瞬発的筋力の回復の程度は、リトレーニング開始までの期間の長さに影響を受けることが示唆された。
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