研究課題/領域番号 |
16K21242
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
佐藤 雄己 大分大学, 医学部, 副薬剤部長 (00570087)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | がん化学療法による悪心・嘔吐 / バイオマーカー / nesfatin-1 / 酵素免疫測定法 / carboxyesterase / 神経内分泌ペプチド / butyrylcholinesterase |
研究実績の概要 |
平成28年度は、食道癌患者への化学療法実施後の悪心・嘔吐(CINV)の発現の新規バイオマーカー候補物質となるnesfatin-1の血中濃度測定系の確立を目指した。測定法としてβガラクトシダーゼを基質とした酵素免疫測定を採用し、市販製品(キット品)との比較等を行い、ヒトへの適用可能となった。現在、本測定法が食道癌患者へ応用可能か検討を行っている。また、carboxyesterase活性の測定については特異的基質であるα-nephtylacetateを使用して試みているが、測定条件などが整わず現在、測定系を確立しているところである。測定法としてHPLC法、LC/MS/MS法等での検討を行っている。これまでに化学療法実施後の食道癌患者の血液を採取し、すでに測定可能となっているghrelin、leptin、motilinを酵素免疫法にて測定している。現在、症例集積中である。Nesfatin-1の測定については、結果がそろい次第、今年度の薬学関連あるいはがん関連の学会にて発表を行う予定である。さらにcarboxyesterase活性測定については測定法が確立次第実測定を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新規の神経内分泌ペプチドであるnesfatin-1の測定系の確立に時間を要していること、酵素活性測定法が未だ未確立である。また症例集積にも時間を要しているため、他診療科の協力を仰ぎ、対象症例を集積していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
nesfatin-1の測定系が確立できれば、測定自体には時間を要しないため、早急な確立を目指す。また酵素活性測定を現在HPLCで検討しているため、LC-MS/MS法や蛍光高度計など使用機器を変更し条件を検討する予定である。また他診療科の協力を仰ぎ、対象症例をさらに集積していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Nesfatin-1の酵素免疫測定法の確立に主に使用したが、carboxyesterase活性の測定系が確立できておらず次年度までに確立を行う予定であるため、試薬・備品類の購入および学会発表等に使用する。
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次年度使用額の使用計画 |
nesfatin-1の酵素免疫測定に使用する試薬・備品類については既存のものを一部使用したため物品の購入はほとんど行わず、学会等で主として情報収集を行った。引き続き試薬・備品類の購入に使用する。(用途)酵素免疫測定法用マイクロプレート、イムノチューブ等備品、carboxyesterase活性測定用試薬・備品等、学会発表等
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