研究課題/領域番号 |
16K21247
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
楠本 郁恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80724757)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 島皮質 / 摂食 / 予測 |
研究実績の概要 |
食べたいという欲望は、脳の中の神経回路によって形成されると考えられるが、その具体的な回路やメカニズムについては、まだ理解が乏しい部分が残されている。代表者はこれまでに、味覚や内臓感覚の情報を統合する脳領域である島皮質に着目してその食欲形成への関与について調べてきた。 本研究の目標は、代表者がこれまで明らかにしてきた島皮質の神経活動の餌予測行動表出に対する影響について、島皮質内外での神経回路メカニズムの解明である。自身が行ってきたこれまでの研究では、オペラント学習を行わせ、餌を予測させる感覚刺激に対して動物が予測行動反応を示すことを指標として、マウスの食欲を評価してきた。このタスクでの餌予測行動の観察は再現性には優れているが、予測行動を示す時間が10秒程度と短いため、最初期遺伝子等を用いた関連領域の同定作業には向かないという問題点があった。そこで、本研究では、長時間にわたって餌予測行動の表出を促すことのできる間欠的給餌法を用いて餌予測行動を観察することで島皮質内の担当領域同定を目標とすることにした。現在は、間欠的給餌環境で14日間飼育したマウスにおいて、活動量の増加が観察されることを確認し、島皮質内や周辺領域でのc-fos発現の定量的解析を行っているところである。また、島皮質からの神経投射について、領域別に解析ができるように、ウイルスベクター注入や観察条件の検討も進めており、島皮質の領域を同定出来次第、島皮質から情報を送る先についての解析もできる準備が整っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、長時間にわたって餌予測行動の表出を促すことのできる間欠的給餌法を用いて餌予測行動を観察することで島皮質内の担当領域同定を目標としており、まず、我々の実験室の環境下でも、間欠的給餌環境で14日間飼育したマウスにおいて、活動量の増加が観察されることを確認することができ、それに伴う、島皮質内や周辺領域でのc-fos発現の定量的解析に進めているため。
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今後の研究の推進方策 |
島皮質の最重要領域が同定出来次第、その領域の神経細胞にチャネルロドプシンを発現させることで、機能的解析を行う予定である。特に、島皮質担当領域から特定の脳領域への神経投射が餌獲得へのモチベーションの一部を担っているのではないかと想定しており、神経活動操作により、マウスの餌予測行動に増強や減弱といった変化を観察できるのではないかと予想している。
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