本研究では、患者、かかりつけ医、そして高機能な医療機関によって形成される医療市場の構造に着目し、組織構造を明らかにするとともに効率的な医療市場の構築を目的とする。日本では高齢化、所得、疾病構造の変化、医療技術の進歩等の要因により医療費が増加している。その一方、病院の多くが赤字となっており、効率的な病院経営を行う必要がある。規定に基づいた経営が高い経営の効率性と関係し、適切な病床管理や在庫管理が低い効率性と関係していることを明らかにした。また、かかりつけ医と高機能な医療機関が連携する医療市場を考察し、紹介患者の増加がかかりつけ医による医療サービスへの投資を低下させることを明らかにした。
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