研究課題/領域番号 |
16K21267
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
李 海訓 首都大学東京, 社会科学研究科, 助教 (70757278)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中国東北 / 畑作農業 / 農業技術 / 農業発展 / 中国農業 |
研究実績の概要 |
本研究は、中国東北がなぜ・どのように新たな穀物倉庫としての地位を確立できたのかを、これまでの稲作研究を踏まえ、畑作農業を長期的な視角に立ち、歴史段階的に解明することにより、中国東北の農業発展全体のプロセスを明らかにすることを目的とする。 4 年間の期間内の前2年は、集中的に資(史)料の収集・調査・整理を行うことを予定していたので、2年目の29年度は、引き続き関連研究のサーベイおよび資(史)料発掘・収集・整理に重点をおいて、研究を進めた。本研究を進めるうえで、政策、無形的技術(土地利用・農法)、有形的技術(農業機械・化学肥料・農薬)、農業経営体などがキーワードになるが、29年度の2度にわたる海外資料調査(遼寧省と上海の関連機関で資料収集)では、これらにかかわる新たな史資料も発掘することができた。とりわけ、無形的技術、有形的技術にかかわる新資料をいくつか発掘することができた。現在、28~29年度に国内外で収集した資料を調査・整理を進めている段階である。 他方で、研究視野も広げた。29年度は視野を畜産業に広げ、論文を公表した。畜産は、穀物構造・土地利用のあり方に大きな影響を及ぼす要因である。1980年代以降、中国においては、肉類(とりわけ豚肉)、卵類、ミルク類の消費が増加しており、それにともなう飼料の需要も増加している。南方の四川省養豚業においても、東北産トウモロコシを飼料として使用するようになっており、中国全土における畜産業の発展は、中国東北における畑作の作物構造・土地利用の変動の1つの要因であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
収集した資料・史料の調査・整理が予定より遅れている
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今後の研究の推進方策 |
30年度は、これまで収集した資(史)料の調査・整理を進め、それを踏まえた成果を公表するとともに引き続き資料の収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が162円であり、ほぼ予定額を使っている。
次年度予算に含めて使用する計画である。
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