単球及び樹状細胞(DC)は免疫応答や組織恒常性維持に必須の骨髄由来細胞である。本課題では単球・DC分化過程における細胞種特異的遺伝子発現パターンの形成機構について、転写因子IRF8によるエンハンサー制御の観点から解析を行った。その結果、IRF8は前駆細胞段階において単球やDCに特徴的なエンハンサーに結合し、エンハンサー活性化とその後の遺伝子発現誘導に必須であること、DCの造血早期における運命決定はIRF8がDC系譜遺伝子のエンハンサーのエピゲノムの変化を生じさせることで誘導されることなどがわかった。本研究を発展させることで単球やDCが関わる疾患の新たな治療法開発に繋がることが期待される。
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