研究課題
若手研究(B)
これまでに、煮干しだしの揮発性成分と食塩とのうま味の増強効果に関わる機序を、官能評価と脳賦活化部位の測定から明らかにしてきた。だし揮発性成分によって惹起するうま味認知は、食塩6 g/L添加によって相乗的に増強した。だしの揮発性成分水溶液と食塩との脳の伝達経路は、背外側前頭前野と上側頭回、眼窩前頭皮質が活性することでうま味の相乗効果が生じる可能性が示され、イノシン酸と食塩との脳の伝達経路とは異なることが示唆された。
食生活
だしの揮発性成分と塩とのうま味の増強効果の機序を神経科学的に明らかにすることは、うま味認知の一助となると考えている。社会的意義として、うま味を惹起するだしの揮発性成分と塩とのうま味の増強効果を食品に応用することで、うま味を保ちつつ減塩が可能となる可能性があると考えている。