研究課題/領域番号 |
16K21279
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
村井 太郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (00747602)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 低酸素細胞 / 放射線治療 |
研究実績の概要 |
1)本年度は、腫瘍の低酸素環境を改善する局注型放射線増感剤の生物実験データを論文化した。これは本研究課題で問題になっていた腫瘍の低酸素環境を増感剤で改善し、腫瘍の制御率をあげようとするものである。増感剤の放射線増感効果が明らかになり、有望な薬剤であることが示された。また、同じ局注型放射線増感剤を用いた臨床データについても論文化することができた。これは乳がん症例を、高精度外部照射と局注型放射線増感剤を用いて治療を行うものである。増感剤使用群では局所再発はみられず、局注型放射線増感剤の有望性が示された。 2)また、低線量被曝によるシルクワームのホルミシス効果についても論文を作成した。 3)MRIについては拡散強調画像を用いた骨悪性腫瘍の検討についても論文化した。 4)放射線物理については新しい放射線治療装置オンラッドの物理実験の結果を論文化した。5)骨盤部放射線治療の副作用である放射線腸炎を克服する薬剤について第2相試験を行い結果を論文化した。86%の症例に有効性が示された。引き続いて第3相二重盲検化ランダム化比較試験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
通常の水素スピンを用いたMRIでは放射線治療で問題になる15mmHgレベルの低酸素環境を測定することは難しかった。このため近年、大きな関心を集めているラジオミクスの手法を用いて測定することを考えた。しかし、マウス腫瘍は1-2cmと小さく、腫瘍のコンツールは困難を極めた。
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今後の研究の推進方策 |
通常の水素スピンを用いたMRIでは放射線治療で問題になる15mmHgレベルの低酸素環境を測定することは難しかった。これはマウスに移植した腫瘍では病変が小さくボクセルサイズの関係から検出が難しかったことも理由として考えられる。しかし、本検討の最終目的は、画像データから臨床的なアウトカムを検出し、実臨床の方針を決定することである。より病変のおおきい臨床データを用いれば、結果が出るかもしれない。今後は、既存の放射線治療データを用い、画像から治療成績との比較ができるか検討を行いたい。ラジオミクスの基盤はできたので、実臨床データと比較し、新しい治療戦略に影響を及ぼすことのできる知見を提供したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウス・薬剤などの物品、論文については所属機関からの研究費、ならびに民間の研究費もあったため、そちらで補充した。
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