いくつかの条件でトライアルを行ったが、本研究の目的である通常の水素スピンを用いたMRIでは放射線治療で問題になる15mmHgレベルの低酸素環境を測定することは難しかった。これはマウスに移植した腫瘍では病変が小さくボクセルサイズの関係から検出が難しかったことも理由として考えられる。また、これに伴い人工知能を用いた画像解析も用いたが検出は難しかった。 しかし、本検討の最終目的は、臨床における放射線抵抗性の克服である。そこで本助成金を用い、マウスモデルにて局注型放射線増感剤(KORTUC)やHeat shock protein阻害剤(DS2247)といった放射線増感剤の生物学的検証を行った。局注型増感剤については論文化し、さらに局注型増感剤を用いた臨床試験についても論文化した。これらは日本放射線腫瘍学会のシンポジウムで発表した。Heat shock proteinについては、論文したので、投稿中である。 MRIを用いた研究としては、拡散強調画像を用いた骨悪性腫瘍の検討についても論文化した。本助成金の研究過程で用いた人工知能による画像解析の技法を用いて骨腫瘍と治療効果、頭頸部腫瘍と治療効果について研究を始めており、こちらも臨床試験登録予定である。
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