2017年度に試作した腰部ヘルスケアを支援するコルセットのためのソフトアクチュエータについて、発生力や変位特性について評価実験を試みた。また、実用を目指した制御システムの構築を試みた。小型のバッテリー、マイクロコンピュータ、電子機器、センサを組み合わせたものをポシェットに内蔵し、ウェアラブル化に成功した。 試作したコルセット及び制御システムを用いて、実用を視野に入れた主観評価実験を試みた。実験には看護学科の学生に協力いただき、特定の看護動作に対する本コルセットの有効性についてアンケート用いて主観的に評価した。使用したコルセットは、従来のコルセットと試作した空気圧式コルセットとした。まず、プレ測定実験としてベッドメーキング動作に対して制御システムを含めた評価を試みた。コルセットの効果について有用な結果は得られたが、駆動システムに関して大きさや装着方法に更なる検討が必要となった。次にコルセットのみの評価として、ソフトアクチュエータの配置による変化の評価実験を被験者16名の看護学科の学生に対して実施した。動作は、負担が大きい動作の例である仰臥位から長座位への起き上がり介助動作、端座位から車いすへの移乗介助動作とした。結果として、両方の動作で従来のコルセットに対する有意差が検定の結果でも見られた。これらのことから、負担の大きい動作に対して本コルセットが有用である可能性を示した。 また、特定の姿勢時に自動的にアクチュエータへの加圧を行う更なる知能化についても試みた。主として深く腰部を曲げた前傾姿勢時の負担軽減を実現できるアクチュエータ構造について検討した。復元トルクを発揮できるアクチュエータ構造を提案し、実験によりそのトルクを測定した。人体へ適用した時の筋電位を測定し、負担軽減効果を確認した。
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