<免疫組織学的検討(Immunohistochmistry)・統計学的解析> 2000年1月~2011年12月に当科で施行した331例の肝細胞癌症例を対象として、抗LSD1抗体を用いて免疫組織学的検討を行った。染色強度と割合のscoringに関しては既報を参考に決定した。決定したスコアを当科で作成・保有しているdatabaseと突合して検討し、詳細な統計学的解析を行った。これによってLSD1の発現量と関わる因子を同定した。当科で作成しているdatabaseは患者因子・背景肝因子・腫瘍因子ならびに手術時のdata・追加治療・予後調査を厳密に行ってきたので、これらを用いて解析を行うことができた。さらに詳細な統計学的検討を続けている。これによりLSD1の臨床的寄与を検討することができ、LSD1阻害剤を使用する際の、最も適切な使用条件(術前neo-adjuvant療法として、あるいは術後補助療法として、また再発high risk群への使用など)を検討することができると考えている。 <細胞実験・RNA単離・reverse transcription> 当研究室で保管している肝(細胞)癌細胞株を用いて、LSD1抑制系の実験系を準備中である。また肝細胞癌サンプルを用いてRNAを単離し、reverse transcriptionを行っている。cDNAライブラリーを作成し、今後Quantitative real-time PCRを行っていく予定である。
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