本研究では、コンピューターベースのテキストマイニングを利用し、サステナビリティ報告の定性情報の中でも重要な経営トップメッセージを分析して、その傾向性を示すことを目的としている。本研究では、正統化の違いを3つのCSRレトリック(戦略的、制度的、弁証法的)に分類した言葉を採用した。分析結果より、制度的文脈がサステナビリティ報告の言葉の選択や,正統化の傾向に違いが示された。サステナビリティ報告は,従来,定量情報を中心とした信頼性の議論が中心であったが,これらの分析結果から,定性情報である言葉の正統化行動が示唆された。また、本研究では自然言語である語彙を定量化することで、言葉の統計分析を可能とした。
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