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2019 年度 実施状況報告書

低温下の誤嚥リスクを低減するための至適真空調理プロトコールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K21303
研究機関熊本県立大学

研究代表者

中嶋 名菜  熊本県立大学, 環境共生学部, 講師 (40614631)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード真空調理 / 加熱時間 / 保存期間 / テクスチャー
研究実績の概要

真空調理は栄養成分の保持、調味料の低減など様々な利点があり、特定給食施設などで利用されている一方で、品温が低下すると、茹で調理食品よりも飲み込みやすさがより悪化することがわかっている。これまでに、調味液濃度ならびに砂糖の代わりに本みりんを用いるなどの飲み込みやすい調味液条件を見出した。そこで当該年度(平成31年度)では、飲み込みやすい調味液条件における最適加熱時間を検討した。さらに、保存期間の影響も検討した。
調理にはジャガイモ、ニンジン、鶏肉を使用し、加熱時間は、30分、45分、60分、90分とした。テクスチャー測定の結果、30分加熱と90分加熱においてはデータのバラツキが多く見られた。官能評価においては、ニンジンの「歯ごたえ」について、加熱時間90分が加熱時間30分に比べ、低温時に有意に高くなり(p<0.05)、飲み込みづらさに影響することが示唆された。テクスチャー測定および官能評価の結果、本研究の調理条件においては加熱時間45分が、品温低下時にも飲み込みやすさの悪化しにくい最適な加熱時間であると示唆された。
次に、最適加熱時間で調理した真空調理食品について、冷蔵保存による影響を検討した。保存期間は0、3、5日間とした。テクスチャー測定の結果、すべての保存期間・試料において、品温低下による硬化が認められたが、ニンジン、鶏肉においては、保存期間が短いほどやわらかく仕上がる可能性が示された。官能評価では、すべての食品、保存期間の間において、総合評価含め有意差は認められなかったが、鶏肉については、官能評価の「飲み込みやすさ」、「ジューシーさ」がおいしさの総合評価と有意な正の相関(p<0.01)を示した。今後はこれまでの研究成果を整理し、国内外の学術雑誌に報告するとともに、必要に応じ追加実験を行う必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度は、研究体制および研究環境が整い、当初2年間で予定していたテーマについて1年間で結果を示すことができたため、研究自体は前年度の遅れを取り戻すことができた。しかし、研究成果発表は予定より遅れている。

今後の研究の推進方策

今後はこれまでの研究成果を整理し、国内外の学術雑誌に報告するとともに、必要に応じ追加実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

(理由)研究体制および研究環境が変化したことで、消耗品、研究成果発表などの支出に変更が生じた。

(使用計画)研究成果発表が予定より遅れている。したがって次年度は、予定していた学会や学術雑誌での研究成果報告ならびに必要に応じて追加実験を遂行する際に使用する計画である。

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公開日: 2021-01-27  

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